あやしい月岡芳年とサインのはなし
今日も生きてます。
今日の一枚↓
これは月岡芳年の「月百姿 源氏夕顔巻」です。
つきひゃくのしと読みます。
月岡芳年は武士たちの戦いを臨場感もって描いた連作が当たり、「血みまみれ芳年」と言われた最後の浮世絵師。
以前ブログにかきました。
月岡芳年は作品をたくさん作った作家で、連作も多く手掛けました。
「月百姿」は月にちなんだ物語や伝承などをもとに描かれた連作です。
芳年の名前にも月が入ってるので、月に思い入れがあったのかな?
「月百姿 源氏夕顔巻」の絵は、タイトルにあるように源氏物語の夕顔の物語を題材にしています。
夕顔と恋に落ちた源氏は、夕顔との逢瀬の深夜に女性の霊に恨み言を言われます。
すると明け方夕顔は亡くなってしまった…。
というお話です。(ざっくり)
絵の中に描かれてるのは夕顔なのか?
女性の霊なのか?
現実に生きている白い花とうっすらと消え行く女性の霊が対比されてます。
女性の霊越しに蔦が透けてますね。
芳年は多作ですが決まりきったテーマと構図で量産しているわけではなく、一枚一枚題材も構図も違うのがすごいです。
さて、月岡芳年は以前ブログにまとめていたのでここまでにします。
残りは雑談です。
作品を見ていて個性的だなあと思うものの一つがサインです。
西洋風の油彩だとレタリングしたサインや筆記体で書かれたものをみます。
日本画や水墨画は落款が押されているのと作者の名前が筆でかかれてますね。
たまに日本画・水墨画で「サインし過ぎじゃないか…?」と思うほど絵の中にたくさん名前やハンコがあるものをみます。
なんでかなー?と思い、この前一緒に展示をした日本画の作家さんに聞いてみたところ、中国では昔所有者が絵に印付けていたそうです。
そして所有者が変わるごとに絵の中の印が増えていくため印が多い作品が残っているということでした。
もしかしたらそういう中国の絵から学んだ日本人の作家の中には、こういうもんかといったようなノリで作品に印をたくさんつけた人もいたかもねーとも聞きました。
日本画は伝統的に作中に作者の名前を書きますが、油絵アクリルその他で制作している今の作家は画中にサインしている人少ないような気もします。
(見えないところに必ずサインはしています。)
世界的にみて最初絵を描く人はただの職人で作者の名前を記す風習はありませんでしたが、それが次第にアーティストとして個性を発揮するようになるとサインを残すようになります。
それが今はどちらでもいいーと変わってきているんですね。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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