最後の浮世絵師ー血まみれの芳年ー
今日も生きてます。
仏像の本を読みました。
仏像ってどこが何を意味しているかわからなかったので勉強になりました。
ショックだったのは仏教の経典には基本的に女性を救う道はないというところ。
なんと!
がーん…
しかし法華経には女性(※とは言っても男性に生まれ変わってかららしい)も往生できるとはっきりしめされているそうです。
法華経を信じる人のところには普賢菩薩が現れると言われています。
普賢延命菩薩像(パリ、ギメ美術館)
普賢菩薩は六つの牙を持つ白い象に乗って迎えに来てくれるそうです。
平安貴族の女子たちの間ではこの普賢菩薩が大人気でした。
女子は象に乗った菩薩の仏像に会ったら全力で祈りましょう!
さて、今日は月岡芳年(つきおかよしとし)についてみていきます。
血みどろ芳年という怖い異名を持つこの浮世絵師は、残虐シーンだけではなく、偉人の連作や美人画の作品など、多くの傑作をつくりました。
私が血のある絵が苦手なのであまり今回ブログではあまり残虐な絵は載せません。
月岡芳年の一生
1839年ー1892年
誕生
商家・吉岡家の次男として江戸に生まれる。
後に画家の家系・月岡家の養子になる。
12歳
浮世絵師・歌川国芳に入門する。
15歳
錦絵デビュー
28歳
兄弟子との合作で歌舞伎における残虐シーンを描いた連作「英名二十八衆句」で人気絵師になる。
血まみれ芳年といわれるようになる。
37歳
錦絵新聞の製作をはじめる。
54歳
亡くなる。
死因は不明。
⚫月岡芳年の連作
芳年は連作をたくさん制作しました。
どんなものを描いていたのか、一部を紹介します。
「通俗西遊記」
黄風王 孫悟空
「和漢百物語」
妖怪画のシリーズ
日本と中国の怪談をモチーフにしています。
酒顛童子
「一魁随筆家」
和漢の物語の主人公のシリーズ。
しかし人気は微妙でした。
犬塚信乃 犬塚見八
「雅立功名鑑」
武蔵坊弁慶・武田信玄など、歴史に名を残した武将の若い頃の姿を描いたシリーズ。
白菊丸
「大日本史略図絵」
日本神話から今まで…歴代天皇のシリーズ。
安徳天皇 (部分)
「芳年略画」
シリアスなものだけでなく、ユーモア溢れる連作も手掛けていたようです。
「芳年武者无類」
歴史的な英雄を描いた33枚のシリーズ。
ここらへんのシリーズ移行は色味が落ち着いていて見やすい。(個人的意見)
「大日本名将鑑」
天照大神から徳川家光までの歴史上の偉人を描いているシリーズ。
上毛野八綱田
「芳年漫画」
二枚続の錦絵で噂話などを画題にしたシリーズ
土蜘蛛と精と酒田公時
「月百姿」
月にちなんだ話を取り上げたシリーズ
むさしのの月
「風俗三十二相」
江戸から明治の女性の半身像を描いたシリーズ。
海老の天ぷらがうまいぜ…の顔。↑
「新柳二十四時」
芸者の一日のようすを一時間ごとに描いているシリーズ。
警察密着24時みたいだ。
午前二時
深夜まで続いた宴会が終わり、飲み過ぎた芸妓が鉄瓶から直で白湯を飲んでます。
行儀悪いけど魅力的。
新作の錦絵が売れるか売れないかで一喜一憂する日々だったそうです。
スランプに陥り、一年に一枚しか作れない年もあったそうです。
藤原保昌月下弄笛図
晩年にいくにつれてどんどん表現が洗練されていくのがわかります。
とにかくかっこいい。(血みどろ系は怖いけど)
模写したくなる服のシワと構図です。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
明石恵Website
明石 恵 Aya Akashi website - 明石 恵 Aya Akashi website
画像引用・参考
知識ゼロからの日本絵画入門
幻冬舎 安河内眞美
傑作浮世絵コレクション
血と怪奇の異彩絵師
河出書房新社 小野寺優