リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

最後の晩餐ー実際に見ると思っていたより素晴らしいー

 

今日も生きてます。

 

展示が終わってから少し時間が空いてしまいました。

 

何日間かイタリアへ行っていました。

 

イタリアと言えば…

 

そうです。

 

カラヴァッジョです。

(そう思うのは私だけでしょうか?)

 

なので今日からは復習も兼ねてイタリアで鑑賞した作品などについてブログで振り返っていきたいと思います。

 

お付き合いよろしくお願いいたします。

 

 

今日はイタリアミラノにあるレオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐です。

 

 


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ミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院にあります。

 


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外では日本語で絵ハガキを売っている人がいました。「10枚1ユーロ!10枚1ユーロ!」

近寄りませんでしたが、結構お買い得ですね。

(10枚130円)

 

 

教会の入り口は↓ですが、

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最後の晩餐を見るためにはセキュリティチェックがあり、違う入り口から入ります。

 


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空港の検査のようなものを通過し中へ。

 

最後の晩餐の絵までの通路は絵のたどった歴史などが記されたボードなどがありました。

 

 

監視カメラ目立つところに分かりやすくあり、萎縮しました…。

 

中はこのような感じです。


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監視してる人がおります。

入り口はこのような感じ。

 


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写真をとっていいかはその時によって違うそうです。

私が見学した際はフラッシュ無しで撮影オッケーでした。

 

双眼鏡をもってガン見していましたが(私だけだった。)やはり印象としては損傷が激しい…。修復してあっても全体的にうすーいかんじ。

 

最後の晩餐の向かいにも壁画があります。

 


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ジョヴァンニ・ドナト・モントルファーノの「キリストの磔刑」です。

 

最後の晩餐の向かいにも壁画があることは知りませんでした。

 

ダヴィンチの壁画に比べると鮮やかに詳細に残っています。

 

 

ダヴィンチが描いた最後の晩餐がなぜ損傷が激しいのかというと、絵の保存状態が悪かった歴史もありますが、壁画に向かないテンプラや油彩の絵の具で描いたからです。

 

 

 

…と思っていましたが、ガイドさんはフラスコ画だと言ってました。

 

そしてフラスコ画は濡れた漆喰の上に絵の具をのせて描くものです。漆喰が乾かないうちに描き、失敗は許されません。

 

それをこの最後の晩餐でレオナルドダヴィンチは乾いた漆喰の上に描いたため絵の具の定着が弱く、このようになってしまった。

 

以上ガイドさん説です。

 

 

どちらが本当なのか?

 

私個人の見解としてはガイドさん適当にいってるんじゃないかな?と思います。

どちらを信じるかはあなた次第と言うことで。

 

 

向かいの壁画ジョヴァンニ・ドナト・モントルファーノの「キリストの磔刑」はフラスコ画で描かれています。

 

時の権力者に気に入られた壁画であったらしく、画の両端には王や娘が絵の完成したあとに描き加えられました。

 


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カラフルな画面のなかで色が抜け落ちてしまっている箇所がその部分です。

 

画が完成したあとに描き加えたということは、漆喰が乾いたあとに描いたということ。

きちんと定着していなかったため後世にはこのように色がなくなってしまいました。

 

 

もし最後の晩餐が同じようにフラスコ画で描かれていて乾いたあとに描いたため上のような損傷具合になったのだとしたら、上の写真のように抜け落ちてしまっているはず。

 

 

復元の過程で水彩で色をつけていると聞きましたが、このようにすっぽり色がなくなっている状態から色つけているとしたらもうオリジナルの影形はないなー。

 

ということはやはり最後の晩餐はフラスコ画ではないな。(自己完結)

 

 

そして二枚の壁画を見比べてわかることがあります。


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最後の晩餐は遠近法が効果的に使われているため、絵の中の空間の奥行きが感じられます。

 

特にキリストの後ろの窓の風景は絵のなかで一番明るく、キリストを引き立てつつも遠くの美しい風景を眺めることができます。

部屋の中という密閉された設定なのに狭苦しさを感じさせないのは窓があるからなんだなー。

綺麗な構図だなー。

 

対してジョヴァンニ・ドナト・モントルファーノの「キリストの磔刑」は絵の中程から上にかけて遠くの風景である城や森が描かれているのですが、最後の晩餐に比べて全く奥行きを感じられません。

べたっとしてます。

 

ガイドさんの説明を聞きながら実際に見て、なるほどと思った点です。

 

 

最後の晩餐は図版で見たことありましたが実際に見て評価が上がりました。

 

この壁画は15世紀に描かれたものですが17世紀にはこの壁の奥にキッチンがあり、キリストの足元の四角いところはその扉のために切り取られました。


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そして17世紀末には馬小屋として使われ、そして大洪水のため二度も水浸しになっています。

 

1943年にはアメリカ軍の空爆で建物の40%近くの損傷を受けました。

 

その中をサバイブしてきた壁画はすごいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに最後の晩餐の部屋に一度には入れる人数は30人までと決まっています。

人がはく二酸化炭素などが計算されているそうな。

 

そして時間は15分間。

 

時間がたつと出口から退出です。

 

 

退出したあとにはちっちゃなミュージアムショップがあります。

 

様々なレオナルドグッズが販売しておりました。

 

図版は日本でも買えるからなーと思って(たぶん日本製の方が質いいと思ってます。)ぶらぶらしていました。

 

レオナルドの手記には彼が考案した様々な兵器や発明品が残されていましたが、それを復元できるというペーパークラフトなども販売されていました。

 

そのもっとも簡易版。

絵ハガキを購入。
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小学⚪年生の付録みたいだ。

 


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裏面にイタリア語で作り方載ってたけどたぶんつくらないな笑

 

 

見学は予約が必要です。

とても人気で三ヶ月先まで予約埋まっているそうです。

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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