ロリータ・コンプレックスと少女画
今日も生きてます。
二月の展示に向けて制作中です。
模様を描くときは方眼紙にアイディアを描いてからトレーシングペーパーに写し、それをキャンバスに転写します。
これが地道な作業…。
注射器などで線を盛り上げるときもこの方法で転写します。
ずっと描いてると意外に時間が進んでいて驚きます。
豆苗もにょきにょきはえてるし、今日も頑張ろう。
金銀箔展
輝くマテリアルの世界
会場 伊勢丹浦和店 美術画廊
会期 2019年2月6日ー2月12日
最終日は17時終了
さて、筑摩書房から出版されている「美少女美術史」池上英洋さん荒井咲紀さん著を読んでます。
いよいよ今日で最終回です。
ロリータ・コンプレックスという言葉は和製英語で、最初は少女が中年男性に関心を抱くといった意味で使われたそうです。
それが紆余曲折つを経て現在の) とは、幼女・少女への性的嗜好や恋愛感情のことを指すようになったのだとか。
ロリータという言葉は1955年に刊行されたウラジーミル・ナボコフの「ロリータ」が由来です。この中の登場人物の少女の愛称がロリータなのです。
内容は主人公の少女性愛者ハンバート・ハーバードと彼が心惹かれている少女ロリータとの関係を描いたものです。
このロリータのは世界的ベストセラーになり各国で出版されました。
ちなみにロシア版の表紙はクリムトのメーダ・プリマヴェージという作品。
なこの作品は1955年に刊行されましたが、出版するまで何回も断られたそうです。
それだけ当時少女に性的嗜好を明らかにするのはタブーとされていたのです。
しかしこの三年前にもっとスキャンダルな絵を描いた人がいました。
バルテュス(1908-2001)
バルテュスも一般的に知名度どのくらいなのかな~前上野の都美館で展覧会ありましたが。
バルテュスは自身の個展で「ギターのレッスン」を展示します。
「ギターのレッスン」1934
カーテンの奥に隠されて展示されていたそうな。
バルテュスの絵の中には自分の性的な魅力を自覚しているような少女が数多く登場します。
「夢見るテレーズ」1938
都美館で上の作品を見たときには驚きでした。この描き方でこんな堂々としたパンチラを東京の美術館で見るなんて…。今の時代でも衝撃的作品です。
今までの美少女美術史の流れを振り返ってみると、近代以前、12歳の少女は充分婚姻対象でした。その頃ロリータのような本が出版されても話題にならなかったかもしれません。
しかし、「子供」というものが認識された近代以降、子供から性的なものを遠ざけ、なおかつ無垢な「子供らしさ」というものが確立します。
そこにロリータのような本が出版されたり、バルテュスのような性的な少女を描いた画家が評価されたりするのは確立された「子供らしさ」に対する反動とも見ることができます。
ロリータの作者もバルテュスも亡くなりましたが、子供を性的なものから守ろうとする動きは世界でどんどん加速しているように思います。(良い悪いではなく)
児童ポルノ法など、子供の性的な表現は児童虐待として認識されるようになりましたが、表現の方はどうなっていくのか…。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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