美少年と死
今日も生きてます。
猪の子供ってうり坊って言うんですね。
あの大人の猪のごつさからは想像できない可愛らしさ。
しかも名前もうりに似てるからうり坊って可愛らしすぎますな。
さて、今日も筑摩書房から出版されている「美少年美術史」池上英洋さん川口清香さん著を読んでます。
昨日は誘惑されるヨハネの絵を見ました。
美少年の美しいとされる期間は短いという話でした。
その美しさを永遠のものにするため、芸術作品がつくられたり、物語の中の美少年は永遠に眠りにつくはめになったりします。
優れた人間は内面も外見も美しいとされていたギリシャの美意識から、ギリシャ神話には多くの美少年が登場します。
そして多くの争いのエピソードの中で美少年は命を落とします。
命を落とした美少年の姿を絵にした作品を今日は見ていきます。
上の作品はエミール・レヴィの「オルフェウスの死」です。
オルフェウスは画面の中に横たわる男性で、ギリシャ神話に出てくる吟遊詩人です。
絵の内容とは違いますが、オルフェスは妻をなくします。
その時妻を取り戻しに冥府まで行きますが、帰りに地上にいくまで振り返ってはならぬという決まりを守れず振り返ってしまい永遠に妻と会えなくなりました。日本神話と似てますね。
その後布教活動をしますが、女性に全く興味を示すことはありませんでした。女性たちから誘惑されますが、無視します。
神への儀式のとき、トランス状態に陥ったその女性たちから八つ裂きにされ殺されます。
画面に踊っている人がいるのはそのためです。
戦争の中で討たれてしまうのですが、ヘクトルを殺害したアキレウスは彼を辱しめるために遺体を戦車にくくりつけ、裸の姿で引きずりまわしたそうな。
しかしその裸を見たものはその美しさに息をのんだそうです。
上の作品はフランソワ=グザヴィエ・ファーブルの「アベルの死」です。
アダムとイヴが楽園を追われたあとにできた兄弟とされています。
二人は神に捧げ物をしていましたが、ある日ヤハウエがカインの供物を無視し、アベルのだけを受けとります。
それに嫉妬したカインがアベルを殺してしまいます。
上はジョゼフ=デジレ・クールの「ヒッポリュトスの死」です。
ヒッポリュトスはギリシア神話に出てくるアテナイ王の王子です。
継母に言い寄られ拒絶します。
すると継母は逆に強姦されたと王に嘘をつきます。
それを信じた王がヒッポリュトスの死を決めます。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。