キューピッドは何歳?
今日も生きてます。
今日は筑摩書房から出版されている「美少女美術史」池上英洋さん荒井咲紀さん著を読んでいます。
先日クピド(=アモル)とプシュケの話を取り上げました。
今日も二人の話です。
クピドとプシュケの神話は彫刻や絵画になっていますが、年齢はそれぞれバラバラです。
そこはなぜなのか?というのが今日の話です。
まず第一、どこに焦点をおいて絵を描くかという問題。
禁じられた恋という点を強調したい場合は成熟した男女の姿で表現されることが多いそうです。
または愛と魂の巡り合わせに焦点を当てるのであれば幼い表現がされます。
難題に振り回されるのが無垢であどけない少女の姿だとしっくりです。
そして第二にクピドの年齢が時代によって変わっていったことです。
クピドはエロス神として男女の神様の仲を取り持つ重要な存在です。何故なら二人の仲を取り持ったことで、その二人以降様々な神が生まれるからです。
エロス神としてのクピドが表現されるときには美青年であることが多かったそうな。
しかしギリシャ圏が拡大していき、様々な神話がごちゃ混ぜになっていく過程でエロス神としての地位をアフロディーテ(=ヴィーナス)に譲るようになります。
そしてやがてクピドはエロス神ではなくアフロディーテの息子として幼児化していきます。
↑クピド ウィリアム・ブグロー
幼児化したクピドに合わせるとプシュケも同じような年齢の姿で表されることになります。
プシュケーがよく描かれたのは18-19世紀。
19世紀末の画家たちがプシュケーを取り上げた要因の1つは、その頃芽生えてきた女性の地位向上運動も背景にあります。
プシュケー=自立した美少女というイメージが付属されました。
↑「箱を開けるプシュケー」ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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会場URL
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