イカロス
今日も生きてます。
池上英洋さん、川口清香著「美少年美術史」を読んでいます。
前回はレオナルドダヴィンチのデッサンから老若の対比のために若く美しい青年と老人が絵のモチーフになっていることを書きました。
老いと若さを対比する作品をもうひとつ紹介します。
小学生の音楽の教科書にイカロスを題材にした歌も載っているらしいということを聞いたこともあるので知ってる人は多いかなと思います。
話のあらすじは…
ダイダロスとイーカロスの親子は王の不興を買い、迷宮(あるいは塔)に幽閉されてしまう。彼らは蝋で鳥の羽根を固めて翼をつくり、空を飛んで脱出した。父ダイダロスはイーカロスに「蝋が湿気でバラバラにならないように海面に近付きすぎてはいけない。それに加え、蝋が熱で溶けてしまうので太陽にも近付いてはいけない」と忠告した。しかし、自由自在に空を飛べるイーカロスは自らを過信し、太陽にも到達できるという傲慢さから太陽神ヘリオスに向かって飛んでいった。その結果、太陽の熱で蝋を溶かされ墜落死した。
(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/イーカロス )より。
羽を蝋でくっつけただけで飛べたなんてすごいはなしですね。
人間の思い上がりをいましめるとともに、神を畏れよという教訓が込められています。
多くの画家たちが墜落の瞬間を描いていますが、↓の二人は飛び立つ場面を描いています。
シャルル・ポール・ランドン
イカロスの飛翔
フレデリック・レイトン
イカロスとダイタロス
墜落の場面は文明を批判するという意味合いが強いのに対し、ランドンの作品が描き出しているものは、子が父から離れる瞬間です。
若者が抱く万能感の危うさと、息子の無事を願うことしかできない父親がかかれています。
だからこそイカロスは幼く無鉄砲に、そして父の老いと対比させるために若く描かれています。
同じギリシャ神話でもどこに着眼して、何を表現するかは画家に違って面白いですね。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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