作品の権利
今日も生きてます。
先日ゲットした美少年の美術史が面白い…。
というか目の保養です。
おとこの人ばっかり出てくるなあと思いましたが(美少年だから当たり前)、普通の美術史ってほとんど絵のモチーフが女性ばっかなんだなあと気づきました。
フェミ関係の本でその事を指摘した本を読みましたが、基本的に女性がどう描写されてるかなどを批判していて、素晴らしい男性が少なすぎることについては全然触れてないのが遺憾でしたな。
在学中はフェミ関係の本を何冊か斜め読みしましたが本によっては快適に生活してるのに読後もやっとしたりしました。昔と今は違うからな~。今の私(女性)は恵まれてるのだと思います。
ジェンダー系の本は私とは感覚が違いすぎて新鮮でした。
「男でもなく女でもなく」蔦森樹著のエッセイが面白かったです。著者本人が男性から女性になっていく内容ですが、こんなことで悩むの?ってことで悩んでて本当に面白かったです笑(真剣なのにすみません。)
こういう思想の影響受けて人生変わる人もいるんだなあ。
さて、今日は池上英洋さん著「西洋美術史入門<実践編>」の最終回です。
戦争中に略奪され、国外に行った作品はどこにあるべきか?
前回第二次世界にドイツ管理下にあった202の作品をアメリカが本国に移送し、今もなお多くの作品はアメリカに渡ったままであることなどについて書きました。
戦争中に奪われた作品は戦争が終われば返還されるべきというのが今の世界の常識です。
しかしどの戦争まで遡ることができるのかというのは非常に難しい問題である。と本の中で池上さんは指摘しています。
まるで領土問題のようだ。
戦争中に占領国が一方的に発掘調査を行われた場合はやっかいなことになります。
アメリカと西欧諸国は発見物の権利は土地の所有者ではなく発見者にあるという考え方によっています。
そもそも大英博物館やルーヴル美術館をはじめとする西欧諸国のコレクションの多くが占領地域を勝手に発掘して持ち帰ったものらしく、いちいち返してたら飾るものなくなりますね。
しかも占領地域から奪ったものが観光資源になって外貨産み出してる構図って奪われたがわからしたらあんま面白くないかも。
しかし保存できる状態がなかったとか考えるとまた違うのか…。難しい。
ナチスの略奪品に関しては所有者がわかれば無条件で返還するというワシントン原則というものがあります。
罰則規定はないので、強制力はありません。
ワシントン原則が有効になった例があります。
↑はクリムトの作品でアデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰです。
このモデルは亡くなっていますが、ユダヤ人一家だったため、夫が亡命したあとにナチスが没収しました。
ナチスはそれをオーストリアに売り、その後はオーストリアの美術館が持っていました。
しかしその後、アデーレの遺言書に書かれた人がアメリカで生存していることがわかり、その人は返還を要求しました。
アメリカで長く裁判していましたが、結局相続人のもとに返還されました。
その一ヶ月後、その作品は化粧品の社長に150億円に近い額で売られました。
相続人はお金に困っていたのかな。作品というよりはお金目的という行動です。
先祖の絵守ろうよ。
こういうの見てるとなんだか少し悲しくなるのはわたしだけでしょうか。
今日で池上英洋さん著「西洋美術史入門<実践編> 」は終わりです。
次はなにしようかな~。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。