天井画のザビエル
今日も生きています。
5月もそろそろ終わりますね。
₍まだ5日あるのに気が早いでしょうか?₎
前描いた作品とかに手を入れたいなあと思っています。展示会中ずっと自分の絵みてるともっとこうした方いいかなとか思ってしまうんですよね。
新しい作品も描きたい思いもありますが、後ろ髪が引かれます。
イレブンガールズで一緒に各地の会場で絵を展示していたとき、メンバーにこの作品₍以前より₎手を加えたんだね。というようなことをたまに言われていました。
必ずと言っていいほど手を加えてない作品に対して言われていたのですが、絵の中でモチーフが動いていたのでしょうか。描き加えた作品は気づかれないこともあったので、なんだか腑に落ちない…。
美容院行ったのに誰からも「切った?」と言ってもらえない時のような…そんな気持ちになりますね。
さて、池上英洋さん著₍大学時代の先生₎の西洋美術史入門〈実践編〉を読んでいます。
その中のイタリアの教会サンティーニャーツィオ教会の天井画からイエズス会の人々₍ヨーロッパ₎がそれぞれの大陸をどうとらえているかというところを見てきました。
②サンティーニャーツィオ教会ー天井画を読み解くー - リアル絵描き日記
③サンティーニャーツィオ教会ー天井画の謎ー - リアル絵描き日記
④サンティーニャーツィオ教会ー天井画に迫るー - リアル絵描き日記
⑤サンティーニャーツィオ教会と二分の一成人式 - リアル絵描き日記
天井画のイリュージョンに目がとられますが、内容を見るといろんなことが読み取れますね。
サンティアーツィオ教会の天井画は〈四大陸の寓意〉でしたが、このように四大陸を描いた天井画や版画がほかにも存在するそうです。
ジョヴァンニ・バッティスタ(ジャンバッティスタ)・ティエポーロ、〈四大陸の寓意〉、1752-53年、ヴゥルツブルク、レジデンツ、階段ホール
上はドイツのヴゥルツブルクにある大司教の宮殿の天井画です。世界で一番大きなフレスコ天井画です。
サンティアーツィオ教会と同じ四大陸の寓意という主題ですが、ここがこの大陸とはっきりしてはいません。
天井画に両手を挙げて上を見上げている人間が描かれています。これはだれかというとイエズス会創始者イグナチウス・デ・ヨロラです。
彼の上には少し小さく十字架を背負ったキリストがいます。イグナチウス・デ・ヨロラより上にいるので小さく描かれています。
キリストから出た光線がイグナチウス・デ・ヨロラに当たり光線が広がっています。
彼が神から啓示を受けイエズス会を設立し、その後の伝道活動を始めたことを表現しています。
光線は世界中に広がっていますが、各大陸の近くに実際にその地へ伝道しに行った宣教師の姿が描かれています。
そして我らがアジア大陸は図の右下にあるようです。その近くにいるのは黒い杖を持った人…わかりますか?ザビエルです。
後頭部の髪の毛の様子はわかりませんね。残念。
この天井画はイエズス会の伝道活動が世界に及び、異教の地でも果敢に布教しているということの自画自賛と言って差し支えないと池上さんは描かれてます。
そう思ってみちゃうと感動よりも感心して作品をみてしまいますね。
今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました