聖セバスティアヌス③
今日も生きています。
寒いですね。心を燃やすしかない。
ところで雪化粧した家々って粉砂糖がかかっているようで美味しそうですね。
さて、聖セバスティアヌスの絵について池上英洋さん著書西洋美術史入門より見てきました。今調べたら西洋美術史入門・実践編も出版されているそうです。今の本読み終えたら買ってみようかな。
今日は本の内容ではないですが、聖セバスティアヌス続編です。
グレイド・レーニ「聖セバスチャンの殉教」
14世紀ヨーロッパで流行したペストに対する恐怖から願掛けとしてたくさん描かれた聖セバスチャンの殉教の図ですが、19世紀末には同性愛の守護聖人になっていきます。
上のグレイドレーニの描いた聖セバスチャンの殉教、どう見ても官能的ですよね。
ただ実際聖セバスティアヌスが殉教した時は高齢で、もともと中世辺りまでは聖セバスチャンの殉教の図はひげをたたえた軍人のおじさんの姿で描かれていたそうです。
それがルネサンスの頃になるだんだん美青年の姿として描かれるようになりました。16世紀後半、ヴァザーリという人が書いた書物の中にはーフラ・バルトロメオという画家が描いた聖セバスチャンの絵の前で女性の信者が集まり大騒ぎしたため、教会から絵が撤去されるという事件があったことが記されています。
その頃から聖セバスチャンをエロチックに描いてはいけないというお触れが出たそうです。(女性の官能的な作品はたくさんありますけどね…)
矢で射られている場面ではなくて、聖イレーネに介抱されている場面の絵があるのはこのお触れが出たためだと思われます。
ですが17世紀になるとまた官能的な聖セバスティアヌスの絵が多くなっていきました。しかも矢が少なくなっていきます。需要があったとみていいでしょう。
ピエトロ・ヴァンヌッチ(通称ペルジーニ)
明日に続きます…
今日も最後までご覧いただきありがとうございました。