聖セバスティアヌス②
今日も生きています。
池上英洋さん著「西洋美術史」を読んでいます。(教科書)
勉強になります。
聖イレーヌに介抱される聖セバスティアン,ジョルジュ・ド・ラ・トゥール画。1645年頃
昨日は聖セバスティアヌスの殉教の場面について書きました。
他にも殉教した成人はたくさんいますが、14世紀後半からヨーロッパでセバスティアヌスの絵がたくさん描かれました。
それはなぜなの?というところが本の中に詳しく説明されていました。
14世紀ヨーロッパではペストが大流行しました。
ペスト菌が体に付着することから感染する病気です。治療しないと皮膚が黒いあざらだけになって死んでしまいます。
怖いです。
当時の人々はもっと怖かったんだろうなあ。特に患者になるにあたって理由が分からない点が恐怖を増幅しました。
キリスト教を信じる人々はこれを神の怒りと捉えたそうです。
一神教なので元をたどれば病も神が作り出したものです。
堕落した人間たちに無数の怒りの矢(=ペスト)を手あたり次第放っているのだと考えました。
ここで昨日まで見てきた聖セバスティアヌスです。
彼は無数の矢に射られても死にませんでした。
多くの人々にとって願掛けの対象になったそうです。
聖セバスティアヌスの絵がたくさん残っているのにはこのような理由があったようです。
今日はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。