リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

雪村について知ろう(雪舟ではないぞ

今日も生きてます。

 

前回は雪舟についてでした。

 

水墨画界のスーパースターなので、いろいろと知っておいても損はないと思います。

akashiaya.hatenadiary.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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雪村自画像(重要文化財) 大和文華館蔵

雪村 Sesson Shūkei - 成瀬不二雄『日本肖像画史 奈良時代から幕末まで、特に近世の女性・幼童像を中心として』中央公論美術出版 2004年, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6662947による

今日はそんな雪舟を尊敬していた雪村(せっそん)を取り上げます。

 

雪舟のことを尊敬していたために「雪」の一文字を自分の作家名に入れたんでしょうね。

 

 

しかし自画像の顔よ。

 

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汚れてるのか…暗く感じます。

手元もけだるげだし。

 

全体的にアンニュイな雰囲気。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇雪村の人生

 

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風濤図(重要文化財)野村美術館蔵

Sesson Shukei - La peinture japonaise - Les trésors de l'Asie - auteur: Akiyama Terukazu - éditeur: éditions Albert Skira – Genève - langue: français - année: 1961 - pages: 217 - passage:117, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15565187による

 

常陸国茨城県)に武家である佐竹族の長男として生まれます。

 

幼くして佐竹氏の菩提寺の正宗寺に入って修行します。

 

正宗寺は絵画をはじめとした多くの寺宝を所蔵していて、雪村の画業にも影響を与えたかもしれません。

 

 

そして時は流れて雪村50歳半ば。

 

関東各地を放浪します。

 

その間何をしていたかというと、

 

 

1546年会津陸奥国の大名に絵画の鑑賞法を授けたり、1550年には小田原や鎌倉を訪れ、多くの名品に接し画僧達と交流したりしていました。

 

 

 

60歳半ば以降は奥州(岩手)を中心に活動しました。

 

 

最晩年は陸奥国の大名の庇護のもと現在の福島県の郡山にある庵に移り住み、そこで亡くなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

〇雪村の作品

 

 

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呂洞賓図(重要文化財)大和文華館蔵

Sesson Shukei - L'Empire du regard – Mille ans de peinture japonaise - éditions Phébus, Paris - auteur: Maurice Coyaud - langue: français - mois: novembre - année: 1981 - pages: 256 - isbn: 2859400397 - passage: 135., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15565409による

 

雪村はほとんど独学で絵を学びました。

 

江戸時代は尾形光琳、明治時代以降は、橋本雅邦や狩野芳崖らに影響を与えます。

 

個人的にはやはり人物が描かれている作品が好きです。

 

なんか少年漫画の一場面みたいな絵ですよね↑

必殺技が繰り出されていそうだ・

 

 

 

 

 

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「琴高仙人・群仙図」重要文化財

 

↑は仙人が描かれた作品です。

 

雪村は仙人を好んで描きました。

 

描かれている仙人は中国に伝わる琴高仙その弟子たちの話です。

 

絵画作品には暗黙の形式が(暗黙ではないか)が多いものですが、この仙人の話をこのような構図で描いたのは雪村オリジナル。

 

やはりマンガっぽくて個人的に人物画好きです。

 

 

 

雪村は名前に雪をつけるほど雪舟を尊敬していましたが、絵の表現自体に雪舟の影響はありません。

 

好きな作家と自分の表現が違うこともあり、気になるクリエイターの好きな作品や尊敬する人を知ると本人とのギャップに驚くことありますよね。

 

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました

 

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