リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

河童目撃談集ー羽が生えてる奴や甲羅無い奴もいたらしいー

今日も生きてます。

 

自宅に簡易撮影場をつくるため、照明や背景紙を揃えました。あとはセットとモデルが必要です。

 

資料集めを適当にすると制作時に無駄に悩んで時間がかかるので、面倒なこともありますが、制作環境整えることを地道に進めていきたいです。

 

さて、前回は法隆寺を取り上げ、歴史に沿って進めていくようなことを言っておりましたが、いろいろと調べるのに時間がかかるため今日は絵に描かれた河童について取り上げます。

 

 

 

 

⚫甲羅だけではない様々なカッパの姿と目撃談



河童というと緑色で甲羅があり、頭の上には皿を乗せているイメージです。現代でも認知度高めの霊獣ですね。

 

昔の人々は河童への関心が高かったらしく、河童目撃談の情報をまとめた本がいくつか刊行されています。

数々の目撃談からは様々な姿の河童を知ることができます。


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〇1801年水戸で網にかかった河童

身長1メートル、重量8キロ、頭の上には皿があり、水かきがある。

現代にも通じる河童ヴィジュアルですね。

 

 


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1840年櫛引道柳沢村で村人によって捕獲された河童

羽が生えていて首を伸ばすこともできた様子。私だったら河童の区分には入れないだろう。1794年越後新潟の香具師が持っていた(!?)河童もこのような姿をしていたらしい。

 


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〇1877年千葉県鴨川市で、沖合で漁をしていた漁師が目撃した河童。

この図と同じような姿かたちだったらしい。甲羅を背負った犬のようだ。「かなよみ」という新聞に掲載され記事になっています。今この手の話題を紙媒体で扱う記者はいないでしょうね。(ムーって河童の記事載せてる?)

 

 

 

甲羅のない河童も目撃されていたそうです。


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〇錦絵の河童


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河童は本当に身近な存在であったようで、絵の中にもよく登場していたようです。

↑は歌川国利画「新板かつぱのたはむれ」

河童と人間をモチーフにユーモアたっぷりに描かれています。

 


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 釣り針に河童がかかってテンパる。の図。


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 落雷で落ちてきた雷様を川に引きずり込む。今日は上玉だぜ!の図。


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 お化けの真似をして通行人を驚かす河童の図。

(マネというか河童もお化けではないのか?)


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 子供にいじめられる河童の図。女子供には手を出さない誓いでも立てているのかな。


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 好物の瓜をとろうと船をひっくり返す河童の図。


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蕎麦も狙う河童の図。河童は蕎麦派か。

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 尻子玉を抜こうとして放屁の反撃をくらう図。


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(個人的推測)河童、道に迷って教えてもらう図。

 

 

 

 

 


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月岡芳年画「和漢奇談鑑」より「毛谷村六助」

安土桃山時代の剣豪六助が河童の相撲を見たという故事をテーマにした錦絵です。

 


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「夜窓奇談」(1889)

福岡県柳川市で、厠に入った女性に触って手を切られ、手を返してもらおうと少年の姿で現れた河童が、お礼に皮膚病の薬を伝えるという話が掲載されています。

厠に入った女性は刃物を携帯していたのか?なぜ河童は少年の姿で?など、疑問がわいてきますね。

 


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↑は「絵入り自由新聞」(1885)に掲載された見世物小屋の入り口風景。


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いろんな霊獣と共に河童もいる。


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野次馬のなかにカッパみたいな奴もいる。

 

 

 

 


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↑は今はない別府の怪物博物館で販売されていたカッパのミイラの姿のハガキ。(送られても嬉しくないかも。)

 

 

一度だけ友達と一緒に花園神社の酉の市の見世物小屋に入ったことがある。すごいショーを見るというよりも、なんかそういう雰囲気を楽しむ趣向の物だと捉えています。

そこで確かなんかのミイラを見、それが河童だったような…(曖昧)

 

 

明治の新聞にも河童の記事が掲載されるぐらいなので、まだその時代には「いるのかな?居ないのかな?」という認識だったことが面白いです。ミイラもリアリティあったんだろうなあ。

 

 

 

今日はここまで

最後まで読んでいただきありがとうございました。

akashiaya.jimdofree.com

 

画像引用・参考

日本幻獣図説 湯本豪一著 河出書房新社