リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

鳥の王ー絵に描かれた孔雀の姿ー

今日も生きてます。

 

ぐっと寒さが増しました。

 

白湯がうまい季節です。

 

CorelPainterというソフトを使用しています。

 

アドビのイラストレーターが少し便利に複雑になったようなものかなあと思っていましたが、画面上に色を混ぜて使用できるパレットがあることに感動しました。(ペイント系のソフトでは当たり前なのでしょうか?)

 

筆&絵の具を使うアナログ人間の身としては、目的の色を彩度やRBGの%や色相環から探すよりも、パレット上で色を混ぜて作る方が楽です。

 

思い通りに行かず歯がゆいこともありますが、使いこなせれば頭のイメージを手早く再現できそうです。やる気!

 

 

 

さて、今日は描かれた孔雀について取り上げます。

 


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↑岡本秋暉画「牡丹孔雀図」絹本着色 安政3年

 

 

華やかな羽の模様が美しいという印象のある孔雀。

 

 

実はさそりやコブラなど、毒を持つ生き物を食べるという意外な側面もあります。

 

 

 

日本では優美な姿から花鳥画にしばしば登場します。

 

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歌川広重画 楓に孔雀

 

 


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伊藤若冲動植綵絵」のうち「老松孔雀図」

 

牡丹・松・孔雀…と縁起の良いモチーフが描かれています。

(若冲とか絶対孔雀大好きじゃん。ノリノリで描いてそう。)

 

孔雀のポーズには中国の影響がみられます。

 

 

 

 

中国で孔雀は「九徳」を生まれながら持っているとされている鳥です。

 

九徳とは、上にたつものに必要とされる九つの徳のことです。

儒教の経典の一つ書経(しょきょう)の中に記されているものが有名です。

 

 

 

其の一
寛(かん)にして栗(りつ)

寛大だがけじめがある

 

其の二
柔にして立(りつ)
争わず柔和だが、自分の為すべきことは必ず成し遂げるという決心がある。


其の三
愿(げん)にして恭(きょう)

正直にして誠実で、起居動作にその誠心が表れている。

 

其の四
乱にして敬
どのような状況でも自分の為すべきを正しく行い、相手を見下さない。


其の五
擾(じょう)にして毅(き)

柔順でありながら、強い意志を持ち、道に背くことはしない。


其の六
直(ちょく)にして温(おん)

率直で不正を許さないが、あたたかい心を持っている


其の七
簡(かん)にして廉(れん)

細かいことに拘泥しないが、筋道は立てている。


其の八
剛にして塞(そく)
意志が強く思慮深い。

 

其の九
彊(きょう)にして義(ぎ)
実行力に富み、道理をわきまえている。

 

 

 

 

相反するような素質ですが、上に立つ者にはどちらも必要な素質である、または、バランスも大事…というようなことかな。

 

九徳を備えた人間になりたいなあ。

座右の銘の候補にしておこう。

 

孔雀は生まれながらに持っています。

 

 

 

 なので中国で孔雀はおめでたい鳥とされ、牡丹とともに描かれ富貴の象徴とされました。

 


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日本に話は戻りますが、孔雀は日本には生息していなかったものの、推古天皇の時代に新羅から一羽献上されたという記録があり、たびたび日本に輸入されていたようです。

 

日本でも吉祥文様の一つで、工芸品などのモチーフになります。

 

また、仏教では毒を食らう孔雀は邪気を払う存在として信仰され、後に孔雀明王として神格化されます。

 

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孔雀明王像 12世紀 東京国立博物館

 

 

 

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 絹本著色孔雀明王

 

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 孔雀明王像 仁和寺

 

 

明王」というと、憤怒の表情をして表現されることが一般的です。(不動明王など)しかしこの孔雀明王は慈悲深い表情をして描かれるのが特徴です。

 

孔雀の上に乗り、一面四臂(四本の腕)の姿で表されることが多いです。

 

 

 

4本の手にはそれぞれ

 

倶縁果(ぐえんか:レモンのような柑橘類の果物で表現される)

 

吉祥果(きちじょうか=ザクロで表現される)

 

蓮華

 

孔雀の尾

 

を持っています。

 

 

また雨を予知する能力があるとされ、雨乞いの場面でも活躍するそうです。

 

 

 

日本で孔雀が登場する絵画は、大体花鳥画孔雀明王です。

 

 

 

孔雀がサソリやキングコブラを食べるというのは驚きでした。

食べてる場面確認したい。

美しい羽根も見たい…!

どうやら孔雀のオスがあのような美しい羽根を広げるのは春から(3月~)のようです。今はオフシーズンですね。

 

来年はまず孔雀をみにいきます。

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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