リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

曽我物語ー日本三大仇討ちモノ!ー

今日も生きてます

 

髑髏の絵がもう少しで完成です。

 


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今日も「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。

 

今日紹介する画題は曽我物語(そがものがたり)です。

 


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歌川国芳「一万丸 箱王丸(曾我兄弟)」

 

源氏物語平家物語は知っていましたが、曽我物語の認知度はどの程度なのでしょうか?

(私は知らなかった)

 

赤穂浪士と伊賀越えの仇討ちものに続く日本三大仇討ち物語のひとつです。

 

 

 

 

曽我物語のざっくり!あらすじ~

 

成り立ち

 

鎌倉時代に実際にあった仇討ちが語り継がれ、物語としてまとめられたのが曽我物語です。

 

父親を殺害された二人の兄弟が、大人になってから父の仇を打つというお話です。 

 

 

舞台

 

時代は鎌倉時代

 

主人公である兄弟は曽我の里(小田原)で育ちます。

 

仇討ちの舞台は富士野(静岡県富士宮市)です。

 

 

 

 

主要登場人物

 

曽我十郎祐成(そがじゅうろうすけなり)

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↑右田年英の「英雄三十六歌撰:曽我十郎」

 

仇討ちする兄弟の兄の方

 

5歳の時に父親が工藤祐経に殺されます。

 

その後大人になったら敵討ちをする決意を弟とし、成し遂げます。

 

 

 

 

 

曽我五郎時致(そがごろうときむね)

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月岡芳年『月百姿 雨後の山月 時致』

 

仇討ちする兄弟の弟の方

 

3歳の時に父親が工藤祐経に殺されます。

 

その後出家のため箱根山で修行していましたが仇討ちが忘れられずに山を降りて兄と合流。

 

その後仇討ちします。

 

 

 

 

工藤祐経(くどうすけつね)


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所領争いで叔父の伊東祐親に恨みを抱いていました。

 

(伊東祐親は曽我十郎祐成と曽我五郎時宗の父親)

 

後に刺客を伊東祐親に差し向け殺害します。

 

 

 

 

ざっくり内容

 

所領争いの恨みから、工藤祐経の陰謀で伊東祐親が殺害されます。

 

 

伊東祐親の息子たち、十郎祐成と五郎時致の兄弟は、大人になってから仇討ちすることを決意し合います。

 

 

その後、兄弟の母は曽我祐信と再婚します。

 

兄弟は小田原ですくすくと成長します。


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歌川広重曽我物語図会」「曽我兄弟とその母」

 

 

兄の十郎祐成は曽我の家督を引き継ぎ、弟の

五郎時致は出家するための修行をします。

 

 

時は流れ、仇である工藤祐経は時の権力者・源頼朝の寵臣になっていました。

 

 

箱根山で修行をしていた弟の五郎時致は、箱根権山へ参る源頼朝一行の中に、仇である工藤祐経を見つけます。

 

 

そこで仇を撃とうとする弟の五郎時致。

 

しかし逆に工藤祐経に諭され、短刀を授けられます。

 

その後弟の五郎時致は出家を取り止め山を下り、北条時政の庇護のもと、兄と共に仇討ちの機会を探ります。


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屋島学亭/「本町連本朝廿四孝」より 『曽我兄弟曽我物語

 

 

そして建久4年5月、源頼朝が富士の裾野で盛大な巻狩を開催します。

 

そこに工藤祐経も参加していました。

 


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歌川広重曽我物語図会」「兄弟三原野の狩場で機会を得ず」

 

 

夜、曾我兄弟は祐経の寝所に押し入ります。

 

兄弟は酒に酔って遊女と寝ていた祐経を起こして仇討ちを果たしました。



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歌川広重/曽我物語図絵

 

その後兄の十郎祐成は騒ぎを聞き付け集まった武士に殺され、弟の五郎時致も捕らえられ処刑されました。

 



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歌川国芳「富士裾野曽我兄弟本望遂図」

 

 


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↑「曽我物語 富士巻狩・仇討ち図屏風」

江戸時代初期には仇討ちの舞台富士の巻狩と、仇討ちの場面を合わせて描いた屏風が人気になりました。

 

曽我物語は武士社会の中で仇討ちの模範とされたようです。価値観が今とは違いますね。

 

 


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↑北尾重政二世「絵本曽我物語5巻」

 

曽我兄弟の仇討ちの話は巫女等の宗教者によって語り広められました。

 

そして↑のように絵本が数多く作られるまで人気に!

 

 

 


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↑小西広貞  

 

 

画題とは関係ありませんが、仇討ちに対する昔と今の価値観が全く違うので、なかなか曽我兄弟に共感できない明石がいます。

 

今は仇討ちの代わりに法律があるので、犯人により重い刑罰(というか死刑)を望む気持ちなのかな。

 

今回はしょりましたが、曽我兄弟の父親が殺害された経緯をみると、おとんも陰謀働かせたから恨まれたよね?おとん何もせずに恨まれた訳じゃないよね?と思ってしまいます。

 

物語を深く読んでないからそう思うのでしょうか…

 

絵の鑑賞に差し障るなあ。

 

きょうはここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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