リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

奥が深いぞ!聖徳太子!



今日も生きてます。

 

早朝にコーヒーを摂取するのが習慣になりつつあります。

 

ということで、今日も「漫画でわかる日本絵画のテーマ」(監修矢嶋新)を読んでます。

 

 


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↑「唐本御影」聖徳太子が描かれた肖像画

 

教科書によく出てくる(ハズ)聖徳太子の絵です。

 

 

日本に仏教を広めた聖徳太子は亡くなった後、崇拝の対象となりました。

 

そのため像や絵に表現されたものが残されています。

 

 

 


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↑も聖徳太子を描いたもの。

聖徳太子孝養像」14世紀

 

聖徳太子の少し若い頃です。

 

 


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↑は飛鳥寺にある聖徳太子立像。

 

こちらも少し若い聖徳太子

 

どちらも袈裟を纏い香炉を掲げています。

 

これは聖徳太子の父親である用明天皇の病気が治るように祈願している様子です。

 

このような姿は典型的な聖徳太子像として明治時代まで数多く表現されました。

 

 

 


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↑も聖徳太子

聖徳太子勝鬘経講讃図(しょうとくたいししょうまんぎょうこうさんず)」、13世紀。

 

先程の聖徳太子とは違い、真ん中の大きい人がその人。

 

どんな場面が描かれているかと言うと、推古天皇に頼まれて勝鬘経(しょうまんぎょう)を大兄皇子や蘇我馬子などに講義している様子です。

 

なんだか聖徳太子のサイズが大きいような気がしなくもない…。

 

勝鬘経というのは大乗仏教の経典のひとつです。

 

 

 

このような絵の画題は何を元にしていたのかと言うと、平安時代に編纂された「上宮聖徳太子伝補闕記(じょうぐうしょうとくたいしでんほけつき)」という聖徳太子の伝記から有名なエピソードが選ばれました。

 

私は使用したことはありませんがお札や切手にもなりました。


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個人的に面白いなあと思うのは、聖徳太子が描かれたものの中に、香炉や笏ではなく、指金(さしがね)を持っている聖徳太子があることです。

 


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指金↑

 

普通の人は使う機会があるか微妙ですが、木の板とかのサイズを図るときに使うもの。(直角の印が簡単に引ける)

私は高校が木材工芸だったので身近な道具でした。

 

聖徳太子が持つものというイメージはなかったのですが、掛け軸には指金をもっともらしく(?)持つ聖徳太子がいます。

 

なぜかというと中国から指金を日本に広めたのは聖徳太子らしいのです。日本の大工さんに色々な建築の知識を教えていたそうな。

 

そして今…

 

聖徳太子大工の神様になっています。

 

 

大工の神様はもっとマッチョなイメージだった…

 

 

 

聖徳太子が祀られていたことも知らなかったのですが、まさか大工の神様という側面まであったなんて驚きの連続です。

 

聖徳太子の伝記の中にはだいぶスピリチュアルなものも含まれているようです。

 

 

奥が深いぞ!

 

 

きょうはここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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