リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

浮世絵の美人はなぜ皆同じ顔なのか

今日も生きてます。

 

梅雨らしい一日でした。

 

アマゾンプライムに入っていて、映画を視聴できる特典があるので利用しています。

 

ゆれる人魚」という題名の映画を見ました。


ポーランドアグニェシュカ・スモチンスカ監督の作品です。

 

映画に詳しくないのですが、あやしい題名に惹かれて見てしまいました。

 

内容はアンデルセンの「人魚姫」をアレンジした異色ホラーファンタジーです。

 

共産主義時代のポーランドが舞台で、ギリシャ神話のセイレーンを彷彿とさせる肉食人魚姉妹が、ナイトクラブで働く人間に拾われるところから話ははじまります。

 

おとぎ話をネタにした話は、結末をどうするかで監督の価値観が出るところ。(と思っている。)

 

とばしとばし見ました(ミュージカル?風なのかディズニーを皮肉っているのか登場人物がやたら歌い出す。)が話の展開や結末は普通でした。

 

ですが全体的に画面が暗くて雰囲気は好きでしたし、人魚の尾ひれと人間の足を交換する手術シーンで、オペ担当の闇医者が雑すぎて逆に面白かったです。

 

じっとりした日にはちょうどいい作品でした。

 

 

 

さて、今日はあやしい美人画ではなく、「浮世絵ことば案内」(小学館田辺晶子著)から気になった所を紹介したいと思います。

 

 


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上の作品は喜多川歌麿の「江戸三美人」という作品です。

 

寛政三美人と謳われた評判のむすめたちを描いた浮世絵です。

 

でも顔みんな同じですよね?

 

 

本のなかではなぜ美人が同じように描かれているのか説明していました。

 

実在の人間であったならばそれぞれもう少し個性があったのではと思いますが、絵の中で個性的に顔が描き分けられることはなかったようです。

 

顔は常にその時代の好みが反映されていて、どこで特定の人物とわかるかというと、名前が記されていたり、持ち物でわかったり。

 

江戸三美人ではそれぞれが花・月・雪とかかれた内輪を持っていて、それによって名前や所属がわかるようになっています。

 

浮世絵を時代ごとにみていくと、そのときの顔の流行がわかるそうです。

 


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ちなみに上の浮世絵は歌川国貞の「北国五色墨 河岸見世」です。

 

顔の趣がだいぶ江戸三美人と違いますが、これは文化8年頃の浮世絵で、清純派の美人よりも、絵の中の女性のように凄みのある女性が魅力的とされた流行もあったんですね。

 

楊貴妃もすごく太ってたらしいですし、美的価値観て時代によってだいぶ違いますね。

自分が生きてる間に時代が追い付いてくれないと困りますね。

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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