リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

甲斐庄楠音ーデロリの世界ー

 

今日も生きてます。

 

私は中学のころ絵画教室にかよわせてもらっていました。

 

そのときに教えてもらったパレットに絵の具を出す順番。

 

白→黄色→オレンジ→赤→茶色…

 

そのときの先生が「虹の順番よっ☆♪」と教えてくださったならびでずっとやって来ました。

 

最近今の制作だと別の並びでも(描くモチーフに合わせて)いいかなーと思い、描きやすくなるように試行錯誤中です。

 

むしろ今までなぜ変えなかったのか…。

その方が不思議。

 

今までの自分の観念を疑って自分を乗り越えてみせるぜ!と、パレットの色の順番を変えるという超些細すぎることから壮大な目標をたててみました。

 

 

 

さて、今日は東京美術から出版されている「あやしい美人画」松嶋雅人さん著を読んでます。

 

美しさではなくあやしさに焦点を当てて絵画と作家を紹介してる本です。妖しいあやかし明石という異名を持つ私としては気になる本です。(うそです。)

 


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このあやしい作品は、甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)の春宵(しゅんしょう)という作品です。

花魁を知らない私にとって、花魁てこんな怖かったのかなあと思わせる作品。あやしいですね。

 

甲斐庄楠音(1894-1978)は日本画家。

武士の血筋で、体は弱かったが裕福な家庭に育ちます。

 

絵画に興味を持った中学生のころ、美術工芸の学校へ転入し、専門学校、研究科へと進んでいきます。

 

国画創作協会に出品するようになるも穢い絵と言われ拒絶されてしまいます。

それならばと自分で新しい美術団体を作るも後に脱退者が続出して解散となりました。

 

その後映画監督溝口健二と知り合い、映画の衣装や風俗口承家として活躍します。

 

しかし絵の道を諦めたわけでもなく、また新しい美術団体を作ろうとして挫折。

83歳でなくなります。

 

 

なんと作家自身が花魁の姿に扮した作品も残されているそうです。甲斐庄楠音は生涯独身でしたが、同性愛者であったかはわからない。

 


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「横櫛」1916

 

モデルは兄嫁。

歌舞伎の役者の真似をしてたっているところで、微笑みは本で見たモナリザの印象が現れたもの。

 


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「毛抜」1915

 

 

「デロリ」というのは画家岸田劉生甲斐庄楠音の作品を指していった言葉。

 

私からすると岸田劉生さん、あなたの作品の方がデロリの言葉が似合います。甲斐庄楠音も心のなかでお前もなとつぶやいたことでしょう。

 


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「幻覚」1920

燃えたからだで踊っているようです。

甲斐庄楠音は当時親しい女性を失っています。

 


横櫛の作品はいくつか柄や内容を変えて描いたものが残っているそうです。みてみたいな。

日本画って繊細なイメージがありますが、甲斐庄楠音の作品を見ると(画像なので本物の印象と違うと思いますが。)結構こってりしていて油絵のような使い方もできるんだな~。

 

映画に転身しなかったらもっとあやしい作品がうみだされていたかもしれません。

 

 

 

今日はここまで。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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展示があります!

あやしい絵も出しますよ。

 

 

金銀箔展

輝くマテリアルの世界 

会場  伊勢丹浦和店 美術画廊

会期  2019年2月6日ー2月12日

最終日は17時終了

全日在廊予定

 


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