今日も生きてます。
猛烈な暑さですね。
道で浴衣姿の人を見かけると夏祭り気分が高まります。
花火とかいいですね。見に行きたい。
ここ数年見に行きたいと思っているうちに夏は終わっています…
さて、今日も池上英洋さん著「西洋美術史入門<実践編>」を読んでます。
昨日は18-19世紀ヨーロッパで流行した「シノワズリー(中国趣味)」についてかきました。
今日はジャポネズリーとジャポニズムについてです。本のなかで出てくるまでジャポニズムは知っていましたがジャポネズリーは知りませんでした。どんなものなのかについて書いていこうと思います。
ペリーの軍艦が浦賀沖に来たのは1853年ですが、このときに同行していたドイツ人画家ヴィルヘルム・ハイネが1856年スケッチ集をドイツで出版し、それが人気となりフランスでも出版されました。
1859年にはロンドンで「エルギン卿使節団の中国と日本における活動報告」(ローレス・オリファント)出版、1861年にはフランス使節団の一人シャシロン男爵が自著の中で北斎漫画を紹介しました。
西洋の日本に対する関心が高いことがわかります。開国すると日本の文化が西洋に紹介されていきます。
そんな中でホイッスラーとルノワールが日本のモチーフを多く取り入れた作品を描いています。
ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー「薔薇色と銀色-陶器の国の姫君-」
クロード・モネ「ラ・ジャポネーゼ」
ホイッスラーの作品には中国製の陶器や日本のものではなさそうなござが敷かれてますが、2枚とも日本的なモチーフを多く描いています。
しかしモデルのポーズを見てみると少し違いがあることがわかります。
モネの作品は妻のカミーユがモデルです。この振り返っているポーズは歌川国貞らの作品が着想源だと言われています。
カミーユの笑顔からはふざけて真似っこしてみたというような無邪気な明るさがあります。
ホイッスラーは友人の画家の姉がモデルです。団扇を手にしてますが、静的なポーズです。
全体的に縦に細長い印象を与えています。
ホイッスラーは日本のモチーフを並べているだけではなく、日本画の女性の雰囲気まで描き出そうとしています。
モネの作品のような傾向を、あくまで日本趣味というところまでで、シノワズリーと類似のものとしてジャポネズリーと呼びます。
ホイッスラーも日本のモチーフが並べられ、ジャポネズリーの作品の傾向に違いないのですが、日本の様式受容までも視野にいれたジャポニズムに繋がる作品です。
モネはジャポネズリーの作品からジャポニズムの傾向の作品に変わっていきます。
明日に続きます。
今日もご覧くださりありがとうございました。
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