リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

落穂ひろいって何ですか

今日も生きてます。

 

池上英洋さん著の西洋美術史入門を読んでいます。

 

この中にミレーの作品を取り上げたものがありました。

ミレーの作品は有名なんでしょうか?高校から美術系なので普通の感覚がわかりませんが、有名ですよね。ちなみにミレーはこの人。おひげが素敵。

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ジャン・フランソワ・ミレー(1814-1875)

 

ゴッホ、ミレー、ゴーギャン…個人的に巨匠で絵が高額だけれど興味があまりない画家三人の中の1人です。清貧系の話で出てくる画家なのでそれのせいで心が開けなくなったのだと思います。

 

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ミレー「落穂ひろい」

 

絵は有名ですが、この人たちは何をしているのでしょうか?

題名にもある落穂ひろいは刈り入れの後に地面に落ちている集め漏らした穂を拾うことだそうです。

 

旧約聖書にこのような一説があります。

旧約聖書レビ記」19章9節から10節に定められた律法に、「穀物を収穫するときは、畑の隅まで刈り尽くしてはならない。収穫後の落ち穂を拾い集めてはならない。…これらは貧しい者や寄留者のために残しておかねばならない。」とある。また「レビ記」23章22節には「畑から穀物を刈り取るときは、その畑の隅まで刈り尽くしてはならない。収穫後の落ち穂を拾い集めてはならない。貧しい者や寄留者のために残しておきなさい。」、「申命記」24章19節には「畑で穀物を刈り入れるとき、一束畑に忘れても、取りに戻ってはならない。それは寄留者、孤児、寡婦のものとしなさい。」とある。これは近代の農村社会でも貧者の権利として一部に残っていた慣習である。

落穂拾い - Wikipediaより

 貧しいものの権利として聖書に書かれているんですね。

 

ということはこの絵に描かれている人々はただの農民ではなく貧しい農民のようです。

 

画面の右側に小さいですが馬に乗っている人が見えます。

 

この広大な土地を所有する大地主がいて、農民を大勢雇い入れて働かせるという社会構造があったそうです。

 

馬に乗っている人は雇い入れた農民たちを監視・管理するような立場の人だと考えられます。

 

絵から当時の階級差というものを読み取ることができます。

 

 

 

なんかこういう話をきくとかわいそうな農民の姿…!と思って鑑賞しなければならないというような観念になるのですが、そんな時はダリがミレーの作品「晩鐘」を自由に考察した著書「ミレー≪晩鐘≫の悲劇的神話」を読むとそのような考えも吹き飛びます。

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ダリは目立とうとしていた節もあるので特殊かもしれませんが、巨匠が美術館ので他の巨匠の作品をどう評価していたかというのを知ると面白いです。

 

 

 

今日はここまで。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

akashiaya.jimdo.com

 

〇展示があります〇

山本冬彦推薦作家による 2018自画像展

 

【会場】Gallry ARK

【会期】4月12日ー4月21日 日曜休廊

【時間】午前11時ー午後6時 最終日は午後5時閉場

 

オープニングパーティーが4月14日の15時から始まります。

出品している作家さんやコレクターとして有名な山本冬彦さんが出席します。

私も参加する予定ですのでぜひお越しくださいませ。

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家族の肖像展

 

【会場】阪神百貨店梅田本店9階 美術画廊

【会期】4月25日ー5月1日

【時間】午前10時ー午後8時 最終日は午後5時閉場

 

家族をテーマに様々な作家が作品を制作しました。

私は全日終日会場にいる予定です!

大阪の方々にお会いできることを楽しみにしております。

ぜひお越しくださいませ。

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