リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

さしがねの力

今日も生きてます。

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母からゼリーのお菓子が届きました。あれだね。最後の夏だね。

 

おいしい。かわいい。

ありがとうございました。f:id:akashiaya:20170906054415j:plain

 

 

 

私は高校が美術工芸の学校で木材工芸コースを卒業しました。授業は木工室で木を機械で切ったりサイズを測ったり紙やすりでやすったりしていました。紙やすりで木を磨いていくと信じられないくらいすべすべになって驚きます。チェーンソーとかも初めて使ったなーいい思い出です。

 

さて、そんな中私の素朴な疑問がありました。組み合わせた木の直角を確認したり、木の長さを確かめたりする道具の一つにさしがね(「曲尺」かねじゃくともいう)があります。

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↑さしがね

 

さしがねには写真にあるように目盛りがついています。表には㎜と㎝の目盛りがついていて、裏には「角目(かどめ)」という㎝とは違うサイズの目盛りがついています。

 

在学中全く使わなかったのでなんであるかいつ使うのか不思議だったのですが、今読んでいる本(法隆寺にひそむ白銀比 五稜郭にひそむ黄金比」べレ出版、江藤邦彦著)の中で解明されていました。

 

角目は㎝よりも少し目盛の間隔が広く比を数字で表すと

表面の目盛り(㎝):裏の目盛り(角目)=1:√2

となります。

 

一昨日ブログで折り紙を使い実践しましたが、

正方形一辺の長さ:対角線の長さ=1:√2

です。

akashiaya.hatenadiary.jp

15センチメートルの正方形の対角線を差し金の裏「角目」で測ると15の目盛りのぴったりということになります。

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丸太材からなるべく大きく角材をつくりたいときは、丸太にさしがねをあて、(図は本から拝借しました。)対角線ACを角目の目盛りで測るとその丸太からとれる一番大きな直径を出すことができます。

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法隆寺の屋根の比や金堂の屋根の比に1:√2の比がよくみられるのはこのさしがねを使われていたからではないかと本ではかかれていました。

 

さしがねってそんなふうにつかわれていたんですね。高校生の頃の謎が今解けました。

 

さしがねは奈良時代から中国から伝わってきましたが、目盛りの単位は時代によって違ったそうです。しかし表面の目盛りの√2倍が裏の目盛りになっていることは変わっていないそうです。大工さんの知恵やな。

 

さしがねの存在意義が(個人的に)微妙だなあと思っていました。(直角を測るならスコヤがあり、長さなら定規で測れる)しかし今はきれいな角材普通に購入できますが、昔は丸太からみんな角材つくるところからですもんね。むしろさしがねが活躍したに違いない。

 

さしがねと大工さんすごさを思い知りました。

 

 

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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