リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

美少年自画像

今日も生きてます。

 

来月MDPギャラリーにて展示があります。

 

 

「Art Of Giving vol.3」

 

会場: MDP GALLERY

 

期間: 2018年12月14日(金)〜12月25日(火)

※日・月・祝祭日休廊

※23日(日・祝)、24日(月・休)は開廊いたします。

 時間:11:00〜19:00 

※最終日は18:00まで

 

住所:東京都目黒区青葉台1-14-18 1F

会場WEBSITE

http://mdpgallery.com

 

小さい作品か扇子を出品しようと思っています。

 


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まだ描いてませんが、クリスマスらしく可愛らしい絵にしようと思っています。

お近くの方は是非!

 

 

さて、筑摩書房から出版されている「美少年美術史」池上英洋さん川口清香さん著を読んでます。

 

浪人中はやたら自画像を描きました。

何故ならたまに芸大の試験に出るためです。そして人の顔を描く練習としても描きました。

 

やはり他の人の顔を描くのと違います。すぐ触ったり確認したりすることができるという良い点もありますが、自分こんな顔なんだ…(絶望)というような気持ちになることもあります。

筆を進めるうちにどうでもよくはなりますが。

 

 

美術史的に見ると、注文主が自画像を描いてくれと頼むケースはまれなので、大分マイナーなテーマであったはずです。

 

 

しかしルネサンスの時代に画家には「断片的に示された美を集めて再構築する技術と能力=ディセーニョ」が定義されると、自らの個性を堂々と発揮してもよくなり、自画像も量産されました。

 


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↑はパルミジャニーノの「凸面鏡の自画像」です。

画家が凸面鏡に映るものを自分と共に描いています。写実的にみえますが、実際は20歳前後の画家が若く描かれています。

 

 


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この自画像は有名なラファエロの自画像デッサン。

推定17歳前後らしい。駆け出しの頃の作品らしいですが、上手ですね。

 

 


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この自画像はアングルのものです。

なんだか小島よしおに似ている気がする。

画家が24歳のときのものでローマ賞を獲得したあと、ローマへの留学渡航費が支給されるのを待ってる時期です。

 


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自画像というとレンブランドやゴッホを彷彿としますが、上の作品はクールベが描いたもので、クールベもまた何枚か自画像を残しています。

 


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これもクールベ

クールベは自画像を重要なジャンルにまで高めた人です。サロンにも自画像を出品していたそうな。

 


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これもクールベ。「傷ついた男」

三枚を通してみると自己顕示欲が強そうだなあということがわかります。

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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ジャンヌ・ダルク

今日も生きてます。

 

神風怪盗ジャンヌってご存知でしょうか。

子供の頃アニメでみてました。

セーラームーンみたいなもんです。(ざっくり)

 

なんかよくわかってなかったけどあれってジャンヌダルクの生まれ変わりという設定なんですね。


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ジャンヌダルク(1412-1431)はフランスで農夫の娘として生まれたものの、神の啓示を受け戦争に参加し、勝利を納め、その後イングランドで魔女と言われ処刑されたフランスの聖人です。

 

ということで筑摩書房から出ている「美少女美術史」池上英洋さん川口清香さん著を読んでます。

 


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上の作品はジョン・エヴァレット・ミレイによる「ジャンヌ・ダルク」です。

 

オフィーリアで有名なミレイですが、静かに神に祈るジャンヌ・ダルクを描いています。

 

ジャンヌ・ダルクが活動した期間は2年だけでした。

今ではフランスの英雄として絶大な人気があり、日本でも漫画やアニメに用いられるほどゆうめいですが、長い間魔女として不当に扱われていました。

 

それが見直されたのはフランス革命のあと、19世紀に入ってからです。

 

なのでそれ以前にジャンヌ・ダルクを描いた絵はなく、直接ジャンヌ・ダルクを見て描いたものなども残ってません。

 


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このジャンヌ・ダルクはハロルド・ヒューム・ピファードが描いたもの。

ミレイが描いたジャンヌとはまた違いますね。

 

 

ジャンヌ・ダルクというと美少女×甲冑というイメージがありますが、甲冑を着たまま寝ていたらしいです。

 

 


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↑はガストン・ブシュールの「ジャンヌ・ダルク」。このジャンヌダルクは甲冑を着ていませんね。新鮮。

不安な表情を見せています。

 

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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ブルーボーイ

 

今日も生きてます。

 

 

筑摩書房から出版されている「美少年美術史」池上英洋さん川口清香さん著を読んでます。

 

美少年肖像画について続いてます。

貧しさと少年 - リアル絵描き日記

美少年肖像画 - リアル絵描き日記

美少年肖像画 - リアル絵描き日記

 

本中で近代以前の西洋絵画の中に出てくる少年の作品は4つに分類されると書かれています。

 

①宗教画や、神話画に登場するキャラクターを描いたもの。

②注文主が自分の家族を描かせた肖像画

③画家が商売を度外視して自分の家族を描いたもの。

④何かしら意味を持つ寓意画。

 

今日は②と③のタイプの肖像画をみていきます。

 

 

昨日はレッドボーイとブルーボーイがいるということも書きました。


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トマス・ローレンスが描いた「赤い衣の少年」と、トマス・ゲインズバラが描いた「青い服の少年」です。

 

 

レッドとブルーがいて、ピンクはいるのかとかイエローはいるのかとか気になります。

 

むしろ私が描いてしまおうか。

ゴレンジャー的な。

 

赤い衣の少年は富裕商人や貴族など上層のひとびとの肖像がですが、ブルーボーイは画家の友人をモデルに描いた私的なものです。

 

 

 

 

 


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上の作品はレッド・ボーイと同じ作家トマス・ローレンスが描いた「イートン校のアーサー・アサリーの肖像」です。

 

描かれている人物は後に英国議会の議員になりました。

ローレンスも画家として駆け出しの頃に描いた作品で、貴族の肖像というよりも画家が友人を描いたと言うタイプ近いです。

 

 


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この作品はジョージ・ロムニーが描いた「ヘンリエッタ夫人とその子ジョン」です。

 

女神と天使ですね…美しい家族…

 

画家のロムニー肖像画家として活躍しました。

モデルは産業資産家ジョン・モリス男爵の妻と子供です。

 

 


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これはピーテル・パウルルーベンスの「少年と鳥」です。

注文された肖像画つぽくはないですね。

ルーベンスが息子を描いたものだと思われます。ルーベンスはふたりの息子たちの肖像画を複数描いています。

 

 


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フランシスコ・デ・ゴヤの「マリアーノ・ゴヤの肖像」。

題名からわかるようにこれはゴヤが孫を描いた作品です。代表作裸のマハとは全く違う雰囲気です。

ゴヤは一人の孫をとても可愛がっていたそうです。眼差しに愛を感じますね。

 

 


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イリヤ・レーピンの描いた「画家の息子の肖像」。

ロシアの画家と言えばレーピン!(それ以外は誰かな)そしてこれは題名の通り息子を描いたものです。

この作品以外にも家族を描いたものが残っているそうです。

モデルをしている息子の「早く~!」という心の声が聞こえてきそうな絵ですね。

 

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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美少年肖像画

今日も生きてます。

 

先日清水のぶこさんの個展を見に行きました。

 


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私がフェルメール展を出品したMDPギャラリーの地下でした。

 

作家さんが居なかったので会場写真はとらなかったのですがばらの絵がたくさん展示されていました。

 

個展の副題がアンネの薔薇ということだったのですが、なんでアンネなのかはわからなかった…。

今度あったときに聞いてみよう。

 

 

そしてそのMDPギャラリーにてクリスマスの展示に出品します。

 

 

 

「Art Of Giving vol.3」

会場: MDP GALLERY

期間: 2018年12月14日(金)〜12月25日(火)

※日・月・祝祭日休廊

※23日(日・祝)、24日(月・休)は開廊いたします。

 時間:11:00〜19:00 

※最終日は18:00まで

住所:東京都目黒区青葉台1-14-18 1F

会場WEBSITE

http://mdpgallery.com

 

 

なんと展示される全ての作品が税込一万円です。私も小さな作品ですが出品する予定です。

 

クリスマスっぽい絵にしようかなと考え中です!

14日にレセプションパーティがあります!

お近くの方は是非!

 

 

さて、筑摩書房から出版されている「美少年美術史」池上英洋さん川口清香さん著を読んでます。

 

 

一昨日美少年肖像画について描きましたね。

続編です。

美少年肖像画 - リアル絵描き日記

 

今日は富裕商人や貴族など上層のひとびとの肖像画をみていきます。


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↑はアンゲリカ・カウフマンが描いた「クピドに扮したヘンリク・ルドヴィク・ルボミルスキ」です。

 

1777年、ヘンリクはポーランド貴族ルボミルスキ公の生まれました。

叔母に可愛がられヨーロッパ各国を旅し、天使のような美貌は各地で評判になりました。

 

この絵を描いたカウフマンは当時としては珍しい有名な女流画家でした。

 

 


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こちらの作品はユストゥス・シュステルマンスが描いた「デンマーク王族ヴァルマー・クリスティアンの肖像」。

 

モデルは題名の通りですが、デンマーク王の異母弟で母の身分が低かったため王位継承権を持つ王子にはなれず、スウェーデン王の将となり33歳で戦死しました。

 

この作品を描いたシュステルマンスは1630年頃イタリアで活躍したバロック画家。

ちなみにシュステルマンスの家の近くにたまたますんでたガリレオ・ガリレイを描いた肖像画で有名↓


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これはピエトロ・ペルジーノが描いた「若者の肖像」です。

 

彼が着ている服はルネサンス期の富裕層の子弟の間で流行したもの。

人文主義者アレッサンドロ・ブロッチェージがモデルという説が濃厚。

 


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これはトマス・ローレンスが描いた「赤い衣の少年」です。

イギリス軍人&政治家の息子を描いたもの。

通称レッドボーイとよばれます。

画家のローレンスはブルーボーイも書いています。これは明日紹介。

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました明石 恵 Aya Akashi website - 明石 恵 Aya Akashi website

 

美少年肖像画

今日も生きてます。

 

暑い暑いといっていたときが嘘のように寒い寒いと毎秒思っています。

常夏の島にいきたくなります。

 

 

さて、筑摩書房から出版されている「美少年美術史」を読んでます。

 

昨日近代以前の西洋絵画の中に出てくる少年の作品は4つに分類されると描きました。

 

①宗教画や、神話画に登場するキャラクターを描いたもの。

②注文主が自分の家族を描かせた肖像画

③画家が商売を度外視して自分の家族を描いたもの。

④何かしら意味を持つ寓意画。

 

今日は②の注文主が自分の家族を描かせた肖像画を見ていきたいと思います。

 

今は写真があるため子供の頃自分がどんな顔であったかわかります。

 

ちなみに私の小さい頃はこんな顔でした。


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そんなに今と変わりませんね。

 

写真がない時代は記念写真の代わりとして絵画がありました。

 

このかわいい我が子の姿を残しておきたいと思ったかはわかりませんが、注文主は描かれる対象とモデルがにていなければ満足しないので、画家は似るようにがんばります。

 

そのため肖像画というジャンルは写実力の向上に大きく貢献しました。

 


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上の作品は1459-60年フィレンツェの画家ベノッツォ・ゴッツォリが描いた「東方三博士(マギ)の礼拝」。

 

メディチ家の邸宅内にある小型礼拝堂の壁画です。

 

絵のテーマである東方三博士というのはイエス生誕時に東方から三人の賢者が祝福に訪れる場面です。

 


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画面向かって右下辺りに馬に乗った少年がいますが、賢者の一人です。

 

この少年のモデルはロレンツォ・デ・メディチです。

肖像画もかねた宗教画ですね。

 

 


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次の作品はアンブロージュ・デ・プレディスが描いた「マッシミリアーノ・スフォルツァのためのラテン語文法書」の扉絵です。

 

描かれてるのは盛期ルネサンスのミラノを支配していたルドヴィコ・スフォルツァの長男。

 

支配者の一族では幼少の頃からラテン語の習得は必須であったそうです。

この肖像画はそのための文法書の扉絵として描かれました。

 

 


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この作品はディエゴ・ベラスケスが描いた「馬上の王太子バルタサール・カルロス」です。

 

有名なベラスケスは王一族の絵をたくさん残してますね。そのうちの一枚。

 

この絵、なんか馬が変。と思いましたが、5歳ほどの王太子が大きく見えるようにわざと馬の頭を小さく書いています。

 

肖像画というのはそのままではなく、理想化や演出もされてるようです。

 

 


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このザ・美少年美術史という感じの作品はジョン・エヴァレット・ミレイによる「ロンドン塔の王子たち」という作品です。

 

12歳で即位したイングランド王、エドワード5世が叔父に王位を簒奪され、弟と共にロンドン塔に幽閉されました。

 

この絵はミレイが想像で幽閉されている時の様子を描いています。

 

映画のワンシーンのようで、緊張感漂います。

 

 

 

 

つづきます。

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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貧しさと少年

今日も生きてます。

 

クリスマスにMDPギャラリーで展示に参加する予定です。

詳細が決まり次第またお知らせします。

 

クリスマスって浮かれる感じがいいですよね。

 

ちなみに明石家ではサンタを信じ込ませる文化がなかったので、サンタクロースを信じてたと友人がいってて驚きでした。

 

真実を知ったとき「嘘だったの?!」というショックはありますが、子供に夢を持たせる大人がロマンチックでいいですね。

 

 

ちなみに過去にサンタクロースのことを書いた記事がありました。

黒ひげサンタクロース - リアル絵描き日記

 

 

 

 

 

 

さて、筑摩書房からをいる「美少年美術史」池上英洋さん川口清香さん著を読んでます。

 

本の中では近年以前西洋美術で少年が描かれる絵画を四つのタイプに分けています。

 

①宗教画や、神話画に登場するキャラクターを描いたもの。

②注文主が自分の家族を描かせた肖像画

③画家が商売を度外視して自分の家族を描いたもの。

④何かしら意味を持つ寓意画。

 

昨日のしゃぼん玉と少年の絵は④の寓意がに入ります。

シャボン玉 - リアル絵描き日記

 

 

この作品は4つのうちどれにはいるでしょうか?

 


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上の作品は1675年頃スペインのバルトロメ・エステバン・ムリーリョが描いた「サイコロで遊ぶ少年たち」です。

 

絵の中の子供たちは皆肩をはだけた服を着ています。今ではこの様な服着ている女性も見かけることもありますが、サイズの合わない服を着ているからです。

 

またサイコロを振っているのはバックギャモンをしているのではなく、幼いうちから賭け事を覚えてしまったことを示しています。

 

つまり描かれているのは貧しい子供たちです。

 

 

この絵が四つのうちどれにはいるかというと…

 

 

どれにも入りません!

 

 

すみません。

 

美少年美術史のこの絵の章をを読みながら心の中で私もツッコミました。

 

誰がこの様な貧しい少年たちの絵を求めたかというとカトリックの信者です。

 

なぜなら当時のカトリック圏では「神は信徒が自ら善行を積むことを望んでいる」と考え慈善活動をすることで天国に入りやすくなるということが信じられていたそうです。

 

 

そのため貧民救済や慈善活動を行っていた富裕層がこの様な類いの絵を購入していました。

 


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上の作品は36歳の若さで亡くなってしまったフランスのジュール・バスティアン・ルパージュの「ロンドンの靴磨き」という作品です。

 

産業革命の発祥地ロンドンでは早くから貧富の差が拡大していました。

 

こういうところを問題視して対象を描くというのは今の現代アートの制作に近いなあと思います。

 

 

貧しさとカトリックについては過去にも描いてます。今日少し被っちゃったな。

貧しい人が描かれた理由 - リアル絵描き日記

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

二月の展示に向けて制作してます。


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シャボン玉

今日も生きてます。

 

先日髪を切りました。

どういう髪型にしたら落ち着いた感じになるのかわかりません。

髪がそわそわしてます。

 

 

 

さて、今日も筑摩書房から出版されている「美少年美術史」を読んでます。

 

シャボン玉とんだ♪という童謡がありますね。


野口雨情(1882年 - 1945年)という方が作詞をしてます。


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Wikipediaに顔写真が載っていました。

黒目がちな人だなあ。

 

 

歌詞は↓

シャボン玉飛んだ

屋根まで飛んだ
屋根まで飛んで
こわれて消えた

シャボン玉消えた
飛ばずに消えた
産まれてすぐに
こわれて消えた

風、風、吹くな
シャボン玉飛ばそ

シャボン玉 (唱歌) - Wikipediaから引用

 

一説では幼くして亡くなった子供への鎮魂歌だというものもあるそうです。

 

そういわれると童謡ですが深いものを感じる童謡です。

 

シャボン玉ははかなさというものを連想させますが、絵の中のモチーフとしても使われます。

 


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これはカレル・ドゥジャルダンのアレゴリーという絵です。

 

この絵は意味のあるモチーフを絵画の中に描き、絵全体でひとつのことを示している「寓意画」です。

 

透明で美しいシャボン玉が漂う姿は可愛いが、あっという間に消えてしまう→人生の華の時間は長いようであっという間という儚さを示しています。

 

ちなみに足元の海に浮かぶ貝殻はヴィーナスの誕生


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球の上に片足で立ち衣が風に吹かれる姿は「運」の擬人像から借用されてます。

 

 


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↑はジャン・エヴァレット・ミレイの「しゃぼん玉」という作品です。

画家の孫がモデルになっています。この絵のためにガラス玉を注文したそうです。後に石鹸会社の広告に用いられました。

 

 


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↑はカスパル・ネッチェルの「しゃぼん玉を吹くふたりの少年」という作品です。よくみるとうしろにもう一人の少年がいることがわかります。

 

儚さを示すときに少年がなぜ選ばれたのかというとしゃぼん玉は子供たちの遊びだということと、いずれ自分に死が訪れることなど想像すらしたことがない子供が描かれるのは寓意の内容に合うということがあります。

 

可愛らしく無邪気で楽しそうな美少年であればあるほど虚しさが強調されます。

 

 

今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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