リアル絵描き日記

画家明石恵のブログです。

アルチンボルド

今日も生きています。

 

丹波篠山産のマツタケが一キロ100万円という記事をみました。きのこ苦手な私としてはいろいろと驚きです。きのこの季節がやってきますね。逃げます。

 

今日もお付き合いよろしくお願いいたします。

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今はこの本を読んでます。エッシャーの絵載っているかなあと思ったこととアルチンボルド展が面白かったことでだまし絵について知りたくなったからです。上野のアルチンボルド展は23日までだったので今日はアルチンボルドの絵を見ていきます。

 

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ジュゼッペ・アルチンボルド(1527-1593)はミラノの有力な家庭に生まれて、おとんも画家でした。レオナルドダヴィンチの有名な弟子と絵を学び、22歳で画家としてデビューしたようです。展覧会会場ではアルチンボルドの絵以外の仕事:宮廷のパレードのための様々な衣装のデザイン画や小物のスケッチも展示されていましたが、ミラノの大聖堂のステンドグラスやタペストリーのデザインなどの仕事を容易にみつけられたのも高い地位の一族の縁故であったと本には記されています。

 

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アルチンボルドの絵は生存中は大変人気があったそうで、彼の絵を模倣する人もたくさんいたようです。アルチンボルド展ではそんな模倣された作品が「ジュゼッペアルチンボルドの追随者」として何点か展示してありました。本の中ではばっさり「それほど目立つことのない下手な模倣者」を多数生み出したとかかれていて表現の差が面白いです。そんな人気であったにもかかわらず、死後は忘れ去られて19世紀ー20世紀に再び関心がもたれてきたそうです。本の中では関心がもたれてきたに「過ぎなかった。」と表現されています。訳者のせいなのか作者が錯視の学者だからかわかりませんが、言い回しがアルチンボルドに対してクールですね。読んでいて面白いです。

 

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この作品は実物の方が百倍良いです。 

 

 

展示会場にあったアルチンボルドの絵は28点ぐらいで油絵は約10点ぐらいでした。(他はスケッチなど)全体の80点からするとやっぱり少ないしゆっくり描くタイプの人なのかなあと思ったら、本の中に後世に残っているものは少なくいくつかは1648年のプラハ包囲戦の機関の火災によって破壊されてしまったと書かれていました。また戦利品としてスウェーデン人に持ち去られたとも描かれています。本当はもっと奇怪な作品が会ったのかもしれません。

 

 ちなみに会場では来場者の顔をアルチンボルド風にしてくれるというこーなーがありました。画面の前に立つと野菜(なすとか)が組み合わさって立つ人間の顔を再現してくれました。私です。

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似てる?

 

 

 

今日はここまで。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました

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福田繫雄のアナモルフォーシス

今日も生きてます。

昨日も生きてました。 

 

遅刻する夢を見ました。目が覚めたときよかったと思う夢の代表格です。よかった。

 

 

エッシャーの絵を三次元に再現した福田繫雄(1932年2月4日 - 2009年1月11日) の作品を紹介しました。福田繫雄は日本のグラフィックデザイナーです。娘さんは画家として活躍中です。視覚のトリックを使った作品をたくさん残しています。モチーフが過去の有名な美術作品だということも多いためとっかかりやすいです。

 

だまし絵の中の一つにアナモルフォーシスというものがあります。アナモルフォーシスとは…

 

アナモルフォーシスとは、ゆがんだ画像円筒などに投影したり角度を変えてみたりする

ことで正常な形が見えるようになるデザイン技法のひとつである。アナモルフォースアナモルフォーズとも。アナモルフォーシス(Ana - morphosis)はギリシア語で再構成(英語でformed again)を意味する。他の言語ではαναμόρφωση (ギリシア語)、anamorphotisches Bild (ドイツ語)、anamorfosi (イタリア語)、anamorfosis (スペイン語)、vertekend beeld (オランダ語)、anamorphose (フランス語)、anamorfoza (ポーランド語)、anamorfózis (ハンガリー語)などと言った言い方がある。日本では江戸時代を投影用の円筒として利用したものが流行し、「鞘絵」と呼ばれた。

(Wikipediaより アナモルフォーシス - Wikipedia)

 

文字で読むより実際に見た方がわかりやすいかもしれません。

アナモルフォーシスの一つに筒形の鏡にゆがんだ絵を写すものがあります。

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鏡に映ったときに何が描かれていたのかわかります。

 

ダリがつくったアナモルフォーシス

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福田繫雄が三次元(!?)のアナモルフォーシスをつくっています。

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アルチンボルド展(見に行きました~)開催中ですが、アルチンボルドのルドルフ二世像のアナモルフォーシスもあります。

 

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だまし絵の世界が面白いです。そもそも絵というものは最初はだまし絵として始まったのでは…?という考え方もできなくもない。ちょっとみていきたいと思います。

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました

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福田繁雄とエッシャー

今日も生きてます。

 

昨日も生きてました。

時間はあっという間ですね。気がついたら今日になってました~。時間よとまれ。

 

 

ということで今日もお付き合いよろしくお願いいたします。

 

先日エッシャーの作品が数学と結晶学に基づいているという話をかきました。現実にはありえないような作品を描いてましたね。ところがそれを現実に再現した作家さんがいたので今日は福田繁雄について書きたいと思います。

 

私は中学校の頃福田繁雄の著書「トリックアート・トリップ」を読んでだまし絵に一時期はまっていました。

 

これがエッシャーの「滝」

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福田繁雄が再現した「滝」

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エッシャーの「物見の塔」

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福田繁雄が再現した「物見の塔」

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いったい何がどうなっているのやら…

 

 

 

福田繫尾「見える柱」

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横から見るとこうなります。

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ある一方向から見ると不可能が可能になっている様子がみれるような仕組みになっているみたいです。

 

明日に続きます!

 

 

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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今日も最後まで読んで頂きありがとうございました

 

エッシャーの平面の敷き詰め問題

今日も生きてます。

 

昨日数学にはどんな図形であったら平面を敷き詰められるのかという問題「平面の敷き詰め問題」から日本の紋様の話をしました。この問題を絵にしている版画家がいます。

 

マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898年6月17日 - 1972年3月27日)オランダ生まれ。中学校の数学の教科書に作品が載っていたような気がします。そのときはなぜエッシャーの作品が数学の教科書に載っていたのかわかりませんでしたが、エッシャーの作品は数学と結晶学を表現しているものがたくさんあります。例えば昨日の「平面の敷き詰め問題」から作品になっているもの。↓

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「空と水Ⅰ」

 

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「昼と夜」

 

教科書にはこの作品が載っていたかな。

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「上と下」

 

私が中学校の頃みた作品は芋虫みたいな虫が這っている絵だった気がします。

 

エッシャーといえばこれが有名です。

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「滝」

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「描く手」

 

 

面白い作品ばかりです。昔は淡々としていて何が面白いのかさっぱりピンと来てなかったけれど、今見るとエッシャーの作品ってめちゃくちゃ面白いしうまいし不思議でかっこいいなあ。そして作家さん本人の雰囲気も素敵ですね↓

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学生の頃から数学には興味を持っていたそうです。お兄さんが結晶学者でその影響もあるみたいですね。

昨日のブログで数学専門の人は模様をみかけたときはあれは内角が何度で和がああだから敷き詰められているんだな。とか思うのかな。と書きましたが、たぶんエッシャーはそのように考えていたのではないかと思います。

 

今読んでいる本「法隆寺にひそむ白銀比 五稜郭にひそむ黄金比」べレ出版、江藤邦彦著には平面の敷き詰め問題を様々な図形で解決しています。

 

 

くさび型

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正五角形は平面に敷き詰められないが、正五角形とひし形を組み合わせると敷き詰めれる

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1918年にラインハルトが発表した五角形の一つ

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ラインハルトが発表した六角形

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芸術作品って何がとっかかりになるかわかりませんね。作品をみていても、実は地球上の私が知らない問題をテーマにしている可能性もある。エッシャーは。「自分は芸術は進歩するものではない、前の時代の画家が残してくれたものからスタートするものではない、作家が原点から出発して作品を作っていくのだと思っていた。」と言っていたそうです。美術勉強しようとすると西洋美術史見てしまいますが、芸術ってもっと広い可能性があるのかなあと思いました。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました

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日本の紋様と平面の敷き詰め問題。

今日も生きてます。

 

涼しくなってきましたね。日が出ている時間が短くなってきたように感じます。秋の夜長は読書で。というような文句を本屋さんで見かけましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

今日もお付き合いよろしくお願いいたします。

 

私は人物を描いていて女性の服をや背景などで模様を描きます。普段から参考にと日本の文様辞典や幾何学模様の本を眺めています。ここ数日「法隆寺にひそむ白銀比 五稜郭にひそむ黄金比」べレ出版、江藤邦彦著から数学に関する話題を続けています。読み進めていたら日本の模様の話が出てきました。

 

●日本の伝統紋様の

 

「鱗」

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「市松」

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「亀甲」

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数学と何が関係あるのか…とみていたら平面に敷き詰められる図形は何か?という問題が「平面の敷き詰め問題」としてあるらしいのです。世界にはミサイルとか地震とかいろんな問題がありますが、平面の敷き詰め問題というのは初耳でした。

 

結論をいうと平面に敷き詰められる正多角形は正三角形と正方形と正六角形です。正方形を敷き詰めたものが「鱗紋様」になり、正方形を敷き詰めたものが「市松模様」、正六角形を詰めたものが「亀甲紋様」になります.。

 

 

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三角形 60×6=360

 

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四角形 90×4=360

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正六角形 120×3=360

 

 

 

 

敷き詰められている模様はだいたいはこれをもとにつくられています。例えば「千鳥紋様」は三角形の変形です。(英語みたいだ)

 

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正六角形をもとにした亀甲紋様の変形。

 

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「亀裂紋様」(きれつ)

 

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「三菱亀甲」

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「変わ麻の葉」(ぶれてすみません)

 

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「六つ手亀甲」

 

 

こういう紋様って誰が考え出したのでしょうか。数学者がみんな考え出したのかな…?数学専門の人は模様をみかけたときはあれは内角が何度で和がああだから敷き詰められているんだな。とか思うのかな。模様を図形的にみることが新鮮でした。

 

明日は敷き詰め問題の流れでだまし絵で有名な版画家のエッシャーについて書きたいと思います。

 

 

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました

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黄金比のプロポーション

今日も生きてます。

 

数学の話が意外に続いています。昨日までは白銀比についてでしたが今日は黄金比です。前はパルテノン神殿とオードリーヘップバーンの顔にも黄金比が見られるというようなことを描きました。

 

黄金比は1:φと表されるそうです。(∮なのかΦなのか…)φはギリシアの彫刻家フェイディアスの名前からとったと言われてます。フェイディアスはアテネを代表する彫刻家で、戦争で一度壊れてしまったパルテノン神殿再建の総監督を担った人です。パルテノン神殿の彫刻の多くはこの人がつくりました。だからパルテノン神殿黄金比なのか…いや、パルテノン神殿黄金比だからフェイディアスの名前を黄金比の記号にしたのか…わからなくなってきた…。とりあえず黄金比は芸術とゆかりがあるんですね。

 

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ミロのヴィーナスやアングルの「泉」の女性像のプロポーション(おへそから上とおへそから下)も長さの比が黄金比に近いそうです。だれが調べたんでしょうか笑これが黄金比のプロポーションです。

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下は黄金比について調べるとよく出てくる渦巻模様。

 

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黄金長方形をの中を正方形で分割していき、それぞれの正方形に4分の1ずつ円を描いていくと渦巻線がでてきます。

 

この曲線が対数らせんと言われる渦巻線と大変似ているそうです。渦潮、台風、オウムガイ、牡羊の角、頭髪のつむじ、渦巻き星雲などほぼ同じような曲線が自然のいたるところにみられます。黄金比がいろんなところに隠れているよということでしょうか。

 

個人的には黄金比うんぬんより、そういえばなんで台風やつむじって渦巻きのかたちしているんだろうとおもい、うずまきじゃないつむじを想像してにやにやしています。

 

 

今日はここまで。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

 

 

 

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四千年前の√2

今日も生きてます。

 

個展が終わり、事務をもくもくとする日です。きちんとするのは苦手ですが、きちんとするときはきちんとしないとと思いながらやっています。

 

さて、昨日まで√2に関することをいろいろととりあげていました。今日も「法隆寺にひそむ白銀比 五稜郭にひそむ黄金比」べレ出版、江藤邦彦著から四千年前の√2について書きたいと思います。私のような数学苦手な人間でも第1話は読めました、すごい本や。

 

三平方の定理についてもとりあげましたが、この定理を最初に証明したのはピタゴラスですが、定理自体は古代バビロニアでも使われていました。

(古代バビロニアは紀元前1792年、メソポタミア(現在のイラク)南部を占める地域、またはそこに興ったアムル人が建てた王国。)

 

バビロニアでは粘土板に棒などを削って描いた楔形文字という文字が使われていました。その粘土板に√2が示されているものがあるようです。

 

↓の画像はその粘土板。良く見えません。

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↓図解するとこうなるそうです。

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楔形文字を数字に直すとこう示されています。(だいぶみやすい)

 

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正方形の中の2列ある数式の内上の方の数は

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これは六十進法で表されているものだそうです。六十進法は60集まるとそれを一つの束にして一つ上げて数を表す方法らしい。(わからん)

現代風に示すとこうなります。↓

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1.41421296…というのは√2の値と小数点以下第5位まで同じ。つまほぼ√2を表しています。

 

下の方の数字は

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同じように現代風に示すと

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正方形の中の二列の上の数字を30倍するとちょうど二列の下の数字になります。ここで向かって左上にある微妙な位置の30との関係と平方根の定理を考えると、正方形の中の数字は一辺の長さが30の正方形の対角線の長さを表していたのでした。

 

本にも書かれていましたが、思うのはなぜそんなことを粘土板に記したんだろう?ということです。笑 粘土板って高価なものでは無かったのかなー?しかもその粘土板が四千年の時を超えて今に残ってしまっているのがすごい。この正方形の対角線の長さだけは後世に残したい…そんな思いが願ってしまったのかも。バビロニア人に聞いてみたいですね。みなさんはなんでだと思いますか?

 

今日はここまで。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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